Technique
15足以上の靴を制作し、確かな技術力を身に付ける
パンプスやバルモラル、ブーツといった代表的なデザインを中心に、様々なデザインの靴を制作します。製法においては近代製法の主流であるセメンテッド製法からマッケイ製法、伝統的なハンドソーン・ウェルテッド製法など、幅広い製法で靴作りを学びます。
製靴授業で制作する靴

プレーンパンプス[セメンテッド製法]
婦人靴や紳士靴を問わず現代の製靴法の主流を占めるこの製法は戦前のドイツで開発され、日本でも1950年代に入り本格的に生産されるようになりました。 接着剤によって甲革と底材を貼り合わせるこの製法はシンプルであるがゆえに基本に忠実で丁寧な作業が求められ、それら技術力を身に付けるには数多くの経験が必要です。エスペランサ靴学院では製靴・トレーニングプログラムにて様々なデザインや仕様、素材を用いた作品を制作することで、製靴技術と知識を培ってゆきます。
内羽根 [バルモラル]
羽根(レースステイ)とは、紐靴の甲部分を覆う部位を差します。この内羽根式は羽根が甲部と一体化しているもので、冠婚葬祭やフォーマルな場に適すると言われるデザインです。 またこのデザインには製甲(靴の甲部制作)に必要な技術が数多く盛り込まれており、プログラムでも重要な位置を占めています。
マッケイ製法
アッパーと本底をミシンで縫い合わせてある製法で、ハンドソーン・ウェルテッドやグッドイヤー・ウェルト製法などと並ぶ代表的な製法です。構造が単純でありながらも手製靴らしい仕上がりから繊細で華奢な靴に仕上げることも可能で、なおかつ比較的軽量で返りもよく通気性もよいことから、機械生産や手製に関わらず幅広く用いられる製法です。
外羽根 [ブラッチャー]
内羽根式と違い、羽根が甲部の上に被さるように縫われているのが外羽根式です。このデザインはダービー、ブラッチャーなどとも呼ばれ、1800年代に生まれたとされています。羽根部分が大きく開くため着脱が比較的素早くでき、靴紐によるフィット感の調節も行いやすいことなどから、現代でも広く浸透しています。
ハンドソーン・ウェルテッド製法 (オプション授業)
高級紳士靴に用いられることで有名なグッドイヤー・ウェルトという製法があります。ハンドソーン・ウェルテッドはその源流となる製法で、現代でも多くの靴職人が技を競い合う伝統的かつ代表的な手製製法です。エスペランサ靴学院では、このような手製製法を単なるクラフト欲を充足するためではなく、先人の叡智に触れるための一手段としてプログラムに取り入れ学んでいます。
ロングブーツ
一口にブーツと言っても様々な用途やデザイン、作りによって形状が異なり、丈の長さにおいても踝や膝や腿を覆うものまであり、まさに千差万別です。プログラムではその中で基本となる、ロングブーツ(膝下あたりまで隠せる丈のもの)を制作します。